さいたま赤十字病院

病院基本理念
病院概要
病院の取り組み
地域医療支援病院
日本医療機能評価機構認定病院
地域がん診療連携拠点病院
災害拠点病院
高度救命救急センター
医療安全への取り組み
院内感染対策について

病院基本理念

年頭あいさつ

新年あけましておめでとうございます。

新病院をオープンして、丸2年が経ちました。昨年、団塊の世代が後期高齢者となる節目の年2025年に向けてさいたま医療圏における医療提供体制がどうあるべきかについて、5疾病5事業を中心に高度急性期に特化した医療の提供が当院の役割であることを説明させていただきました。おかげさまで、概ねこの地域における中核病院として相応しい医療を提供し、地域の皆様に評価をいただいているところだと感じています。今年はさらに当院の立ち位置を明確にするため、国を挙げて構築が勧められている地域包括ケアシステムにおける当院の役割について解説をし、年頭のあいさつとさせていただきます。

 

今まさに急ピッチで進められている医療改革へのシナリオともいうべき「社会保障制度改革国民会議報告書(平成25年)」から今後の医療のあり方、さらに高度急性期病院として当院に求められている機能を読み取り実践していくことが重要だと考えていますが、その前提としてわが国が置かれている状況あるいは背景を理解しておく必要があります。

その第一は社会環境の急激な変化を認識することです。日本は2008年のピークを境にジェットコースターで滑り落ちるように人口減少のフェーズに突入してしまっているということをまず知っておかなければなりません。高齢化は2025年問題として広く認知され対策が講じられつつあるところですが、その先には現役世代、すなわち生産年齢人口の激減というさらに大きな難題が待ち受けていることに気付く必要があります。一人の高齢者を働き手一人で支えなければならない時代がすぐそこまでやってきているということです。したがって子育て支援や、元気なお年寄りに支える側に回っていただくことの他に、人工知能の活用、労働生産性を高めるための働き方改革、外国人労働者の確保などすでに政策のターゲットは2025年から2040年にシフトしています。

一方、急増する75歳以上の高齢者には高齢化に伴う出費が増える他、医療の高度化による経費が嵩むため、社会保障給付費はうなぎ登りで、日本の財政を大きく圧迫しています。にもかかわらず税収はほとんど増えていませんので、消費税の増税で何とか賄おうとしていますが、到底間に合いません。いずれ20%、あるいはそれ以上に上げざるを得ないだろうとも言われています。いずれにしても今の社会保障制度を将来に向けて持続可能なものにするためには、税の負担を受け入れるとともに効率化によって支出を抑える努力が求められます。

2点目として医療需要における変化についても把握しておく必要があります。寿命が延びたことや栄養など生活環境が格段に良くなったことから、今や生活習慣病に起因する病気が疾病構造の中心となっています。したがって政策医療といわれるがん、心臓循環器疾患、脳卒中、糖尿病などへの対応が求められています。また、将来的にはより年齢の高い高齢者が増えることになり、肺炎や骨折が急増する予測となっています。このような医療ニーズの変化にも目を向けていく必要があります。さらに、確実に増えると予想されている認知症や独居老人等への対策も急性期病院の守備範囲になりつつあります。現役を退いてからこれらの問題を抱えつつ平均20年前後生活して行かなければならない人々をどう支えて行くのか社会全体としての知恵と工夫が必要とされ、打ち出されてきたのが地域包括ケアシステムです。

ただし医療需要の変化は地域によって異なり、全国一律に対策を立てることが出来ないため、当院はさいたま医療圏での需要の変化を注視していく必要があるということになります。この地域では、がんや心筋梗塞、脳卒中、肺炎、大腿骨頸部骨折など高齢化と関連の深い疾患の需要がますます増えてくるだろうと予測されています。当院ではしっかりとこれらの疾患に対応できる体制が整えられているものと考えていますが、さらに充実した医療の提供を心掛けて参ります。

3番目は、新たな医療技術をどのように取り入れ、またどう付き合っていくのかという課題についてです。ICT等をフルに活用することで一人一人に過不足のない効率的な医療を提供することが可能になってきました。またAIの技術でタスクシフト、タスクシェアの一端を担わせることも現実味を帯びてきました。ここ数年バイオ医薬品をはじめとして技術革新による高額薬剤が登場し実際の売り上げも倍増しています。これらの医薬品は国家財政をも脅かしかねないとされていることから、無駄に使用することなく費用対効果を考慮した判断も重要です。

 

このような社会情勢の変化をふまえたうえでわれわれに求められていることをまとめますと、①時代に則したニーズに対し質の高い医療を提供すること、②地域包括ケアシステムの枠組みの中で高度急性期病院としての機能をさらに強化するために病診・病々連携を推進すること、③働き方改革の推進などによって労働生産性を高め、より効率的で価値ある医療の提供に努めることになろうかと思います。つまり、質の高い医療を提供することに加えて、必要に応じ早期退院を推進し、他の医療機関との役割分担と連携を行い、発症から入院、回復期、退院までスムーズに受け渡し、地域完結型医療の一端をしっかりと担っていくことが当院の地域包括ケアシステムにおける責務です。そのためには、入院前からの支援を強化し退院時には地域の関係者との連携を推進するなど、切れ目のないサポートができるように体制を整えることが重要です。「入院もしていないのに退院後のことを言われても…」とか、「病院を追い出すことしか考えていない」などお叱りをいただくことも多々ありますが、何卒ご理解いただきたいと思います。

 

回復期や慢性期に比べ急性期医療にはより多くの医療資源の投入が必要です。かといって必要以上の投入は無駄を発生させ非効率となってしまいます。今や、必要最小限の医療資源の投入で高品質の医療を引き出す費用対効果の考え方が求められています。すなわちわれわれが目指すべき医療を実現させるため働き方改革や効率的な医療の実現といった課題とどう向き合い、折り合いをつけて価値ある医療を提供していくのか試されていると感じています。その一環としての病状説明の時間内実施や病状が安定した患者さんの「かかりつけ医」への逆紹介など、働き方改革への対応にも一層のご理解ご協力をお願いしたいと思います。

 

平成31年1月
病院長 安藤昭彦

さいたま赤十字病院の理念

赤十字の人道・博愛の精神に基づき、信頼される医療をおこないます。

さいたま赤十字病院の基本方針
  1. 患者さんの権利を尊重します。
  2. 地域との円滑な医療連携に努めます。
  3. 医療の質の向上に努め、安全な医療を提供します。
  4. 優れた医療人の育成に努めます。
  5. 国内及び国外での医療救援活動に積極的に参加します。
患者さんの権利
  1. 公平で適切な医療を受ける権利
  2. 個人の尊厳が保たれ、 人権を尊重される権利
  3. プライバシーが守られ、個人情報が保護される権利
  4. わかりやすい言葉で検査や治療などの説明を受ける権利
  5. 自己の決定権が確認され、医療行為を選択する権利
  6. 安全・安心な医療を受ける権利
  7. 他施設の医師の意見 (セカンドオピニオン)を聞く権利
  8. 自己の診療記録等の開示を求める権利
患者さんに守っていただく事項
  1. 健康に関する情報を医師や看護師等にお知らせください。
  2. 医療行為については、納得したうえで指示に従ってお受けください。
  3. 病院内ではルールを守り、他の人に迷惑にならないように行動してください。
  4. 診療費の支払い請求を受けた時は、速やかにお支払いください。