皮膚科 乾癬・掌蹠膿疱症
乾癬(かんせん)とは
- 青年から中年に見られる皮膚病で、厚く銀白色のガサガサした鱗屑(りんせつ)を伴った紅斑(こうはん)らの発疹が頭や肘、膝のほか全身のどこにでも出現する皮膚疾患で、爪には肥厚や変形を生じます。関節とその周囲にも炎症を伴うことがあり、約15%の乾癬患者で関節炎を合併し、乾癬性関節炎と呼ばれます。
- 皮疹は多彩な症状をきたしているため、病理検査を施行して的確な診断を行なっています。 乾癬患者の病態・治療を十分に理解しているのは皮膚科専門医です。
関節症性乾癬(乾癬性関節炎)
爪や頭部に皮疹があると、本症を合併しやすく皮膚症状に加え、関節炎があり、関節の痛み、腫れ、関節の変形を伴います。運動時より、安静時に関節痛が増強することが多いです。生物学的製剤の使用、疼痛管理は十分に行います。1日1回の内服で済むJAK阻害剤の使用が当科では可能です。
乾癬性紅皮症
乾癬の紅斑が全身に広がり、赤くなった状態をいいます。膿疱性乾癬に移行することがあります。
膿疱性乾癬
発熱とともに全身の皮膚が赤くなり、無菌性膿疱(うみ)が多発してきます。
全身型と限局型に分類されます。
滴状乾癬
小さな紅斑が全身に多発します。
乾癬の治療
- 治療は日本皮膚科学会のガイドラインに準じて行なっており、患者さんは安心して受診できます。また外用療法、光線療法(ナローバンドUVB)、複数の生物学的製剤から選択使用し、患者さんに合わせたオーダーメード治療を行うことから、患者満足度を上げております。
- また最近では乾癬患者にはJAK阻害剤といって1日1回の内服剤で副作用のリスクが非常に少ない薬剤も使用可能となり、治療の組み合わせ、安全性、副作用についての専門的な知識が必要な分野であるため、皮疹の変化らを皮膚科専門医と共有することが、適切な治療の選択につながります。
※4月より常勤皮膚科専門医の増員により、乾癬外来を行います。随時、ホームページを参考にしてください。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは
- 中年女性に見られることが多く、手のひら、足のうらに小さな膿疱(うみ)が多発し、紅斑と鱗屑(ガサガサ)を生じるものです。 無菌性膿疱のため、ヒトに感染することはありませんが、人目に触れる手足の皮疹は患者さんにとって大きなストレスになります。
- 約10-30%の方に骨・関節の痛みと腫れを伴い、日常生活に支障をきたします。 金属アレルギーの関与は数%程度のごく限られた方のみです。金属パッチテストは、必要とされる方にのみ実施しています。
- 手足の乾癬など、症状が類似する他の病気もあるため、病理検査などまず正しく診断することが重要です。
掌蹠膿疱症の治療
- 掌蹠膿疱症は、歯の根尖病巣や扁桃の潜在的な炎症が皮膚症状や関節症状を引き起こしていることが多いです。 病巣感染治療の有効率は高く、膿疱の出現が止まり、軽快していきます。
- 皮疹に対しては、外用療法(活性型ビタミンD3軟膏,ステロイド軟膏、ビオチン内服、光線治療、内服治療などを行います。