さいたま赤十字病院
①がんゲノム医療とは

現在では、患者さんから組織を採取し、その遺伝子情報を調べることで、がんの特徴を知ることができるようになりました。 がんゲノム医療とは、がん組織等の遺伝子を検査し、その変異を明らかにすることによってそれぞれの患者さん適した治療を提供する医療です。

当院は2020年4月より「がんゲノム医療連携病院」に指定されており、「がんゲノム医療中核拠点病院」である東北大学病院と連携し、がんゲノム医療実施しています。

②遺伝子パネル検査とは

「遺伝子パネル検査」では、がんの組織を用いて一度にたくさんの遺伝子を調べます。この検査では、手術や生検などで採取されたがんの組織を用い「次世代シークエンサー」という解析装置によって、1度に大量の遺伝子を調べます。

遺伝子の変化を明らかにすることで、患者さんごとに効果が期待できる薬剤が見つかる可能性があります。

当院では保険診療にて、以下の遺伝子パネル検査を行っております。

「FoudationOne®CDXがんゲノムプロファイル」

将来的にはその他の遺伝子パネル検査を導入予定です。

③遺伝子パネル検査を受けられる方
④遺伝子パネル検査の費用について

遺伝子パネル検査は保険診療の対象となります。医療費が3割負担の場合

検査実施料
44,000点(約132,000円)…検体提出時のお支払いとなります。
結果説明料
12,000点(約36,000円)…検査結果説明時のお支払いとなります。

※本検査は高額療養費制度の対象となり、窓口負担が軽減される場合があります。

※検査費用については、医事課までお問い合わせください。

⑤遺伝子パネル検査を受けるうえでの留意点

効果が期待できる薬剤が見つからない場合があります

遺伝子パネル検査をすることで遺伝子変異が必ず見つかるとは限りません。また、遺伝子変異が見つかったとしても、適応する薬剤がない等、治療方法を見つけることができない場合があります。

遺伝性の疾患が見つかる場合があります

遺伝子パネル検査の過程で、患者さんの生まれ持った体質と関連している可能性(遺伝性疾患)が判明する可能性があります。その場合、患者さんのご家族(血縁者)にも関係している場合があります。このような結果を知りたいかどうかについては、患者さんのご希望を尊重いたしますので主治医にご相談ください。

検体の解析ができない場合があります

検査に使用した検体の品質や量によっては解析が成功せず、検査ができない場合があります。その際、新たにがん組織の採取(生検等)を行うか、検査を中止とするか検討します。

⑥診療情報の取扱いについて

遺伝子パネル検査では、患者さん個人を特定できない状態にしたうえで検査会社に検体を提出します。また、患者さんの臨床情報について、国立がん研究センター内にある「がんゲノム情報管理センター(C-CAT)」へ登録する必要があります。提供いただいた情報は、将来のがん研究や薬剤の開発等に活用されます。データ提供に同意されない場合でも検査は可能ですが、患者さんの治療方針について審議する「エキスパートパネル」では、C-CATに提供された情報もとに解析された「C-CATレポート」を参考にしています。エキスパートパネルの際、C-CATレポートが利用できないことについて、ご理解いただく必要がございます。

エキスパートパネルとは

がんゲノム医療中核拠点病院を中心として開催されている、複数の専門家から構成される検討会であり、遺伝子解析の結果、効果が期待できる薬剤があるかどうかや、遺伝性疾患につながる遺伝情報である二次的所見(:遺伝子の生殖細胞系列の変異。上記「⑤遺伝子パネル検査を受ける上での留意点」参照)等の検討を行います。当院はがんゲノム医療中核拠点病院である東北大学病院と連携し、患者さんの検査結果について症例検討を行っております。

⑦受診までのながれ
⑨問い合わせ

さいたま赤十字病院 がんゲノム個別化治療室 事務局

電話
048-852-1111(病院代表)
時間
9:00~17:00(休診日除く)

※お問い合わせには折り返しの回答となる場合がございます。

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