検査部では、心電図や脳波・超音波検査など患者さんを直接検査する"生理機能検査部門"と、患者さんから血液を採取する"採血部門"、患者さんの体から採取した血液や尿・便・体液(髄液、胸水など)、組織などを検査材料として行う"検体検査部門"からなり、医師が患者さんの状態を把握するために必要な情報を提供しています。現在スタッフは総勢54名(検査部長1名、検査医1名、臨床検査技師49名・事務等3名)で日々の業務を行っています。
(令和7年3月現在)
様々な医療機器を用いて、患者さんの身体に直接触れて体の構造や機能を調べる検査を行っています。主に循環器系(心電図等)、神経系(脳波、筋電図等)、呼吸器系(呼吸機能等)、超音波(エコー)を用いる検査に分かれます。
心電図は不整脈や虚血性変化など心臓の状態を把握でき、心疾患の診断と治療に有用です。脳波は脳の活動状態を記録し、意識障害などの診断に有用です。筋電図は神経や筋肉の活動状態を記録し、筋力低下や萎縮などの原因を特定するのに有用です。呼吸機能検査は肺の容量や換気機能の状態を把握でき、手術前の呼吸の状態を評価するのに有用です。超音波検査(エコー)は心臓・腹部・血管などの臓器の形状、変化、異常の有無等を観察でき、病気の診断や治療の効果判定に有用です。
中央採血室にて、主に外来患者さんの採血を行っています。
血液や尿・髄液・胸水・腹水などの検体を用いて様々な検査を行っています。 血糖値や肝機能・腎機能・脂質系などの生化学成分を迅速かつ正確に測定し、疾患の診断や薬物投与の効果、治療の予後のための情報提供を行っています。また、感染症や腫瘍マーカー・甲状腺機能ホルモン、婦人科関連ホルモンなどの免疫学的検査についても高感度測定の自動分析装置を用いて迅速に検査を行っています。
赤血球数や血色素量などから貧血の有無や、白血球数から炎症の程度などを把握できる血球算定検査や白血球の形態分類などを、自動分析装置を用いて迅速に測定しています。 機械で分類できない形態については、直接臨床検査技師が顕微鏡を覗いて分類します。また、血液疾患が疑われる患者さんの骨髄穿刺検査では、標本作成から顕微鏡を用いての細胞の分類までを行っています。また、血栓症の治療で使用している薬の効果や、手術前検査として凝固・線溶検査を迅速に行っています。
輸血検査では、血液型検査や不規則性抗体検査、交差試験検査を行っています。また、 輸血に必要な輸血用血液製剤の管理業務を行っています。
尿中の蛋白、糖、潜血の有無などを調べる尿定性検査や、尿中の赤血球や上皮細胞などの有形成分を顕微鏡で観察する尿沈渣の検査を行っています。細菌検査では、採取した検体(血液・尿・便・喀痰など)を培養し、病気を引き起こす原因菌などを探ります。病原菌が検出された場合は「同定検査」を行い、何の抗菌薬が治療に効くのか「薬剤感受性検査」を行っています。
* 参照 検査のしおり
令和3年12月にISO15189の認定を取得しました。ISO15189とは、国際標準化機構(ISO)が定めた臨床検査室の品質と能力に関する国際規格です。このISO15189の維持継続に努めるため、日本医師会精度管理や日本臨床検査技師会精度管理などの外部精度管理調査に参加し、施設間の格差是正に努めるとともに、検査結果の品質において信頼される精度の高い検査結果を迅速に提供できるよう努めています。