当院では、ダビンチ手術の開始に向け、令和2年9月にワーキング・グループを設置し実施施設への見学も実施いたしました。
ワーキング・グループの構成は、手術室運営委員会委員長、該当診療科医師、麻酔科医師並びに手術室看護師、臨床工学技士、事務となっており定期的な協議の中で、安全第一の手術を行うという方針のもと準備を進めてきました。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、トレーニングセンターが閉鎖された時期もありましたが、令和3年2月19日に産婦人科で実施した「ロボット支援下子宮全摘術」が当院での初症例となりました。
令和4年11月現在、保険適応となっている術式は以下のとおりとなっております。
※ご自身の病状がダビンチ手術の対象になるのか等のご質問につきましては、主治医にご相談ください。
泌尿器科
低侵襲ロボット支援手術は患者様の負担が少ない腹腔鏡手術と同じようにいくつかの小さな切開部を作り、外科医の操作に従って内視鏡・メス・鉗子を 動かして行う内視鏡手術です。
ダビンチは、低侵襲技術を用いて複雑な手術を可能とするために開発されました。高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像の下、人間の手の動きを正確に再現する装置です。術者は鮮明な画像を見ながら、人の手首よりはるかに大きく曲がって回転する手首を備えた器具(鉗子)を使用し、精緻な手術を行うことができます。ロボット支援手術は完全に医師の操作によって実施されます。
ダビンチはサージョンコンソール、ペイシェントカート、ビジョンカートの3つの機器によって構成されています。
1.体への負担が少ない
数カ所の小さな切開部から手術を行うため、傷が小さく、出血も抑えられ、手術後の回復が早く、患者さんの負担が軽減されます。
2.鮮明な3D(3次元)画像
コンソールモニターには高画質で立体的な3Dハイビジョンシステムの手術画像が映し出されます。
3.精密な動きを再現
医師がロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。ダビンチの鉗子はリスト構造を持ち、人間の手より大きな可動域と手ぶれ補正機能を備えています。
4.低侵襲ロボット支援手術の実績
現在までに、ダビンチ手術の症例数は世界で約850万例、ダビンチ手術のトレーニングを修了した医師は約5万5千人にのぼります。
1.ロボットによる手術は怖い気がします
1.ダビンチ手術は、認定資格を取得し、トレーニングを積んだ医師によって行われます。医師をサポートするのがロボットの役割で、ダビンチ自身が勝手に動作することはありません。医師がロボットを活用し、より精緻に行う手術とお考えください。
2.ロボットに手術されるのは大丈夫なのでしょうか?
2.ロボット支援下手術は、ロボット自体が主体的に手術するものではなく、認定資格を取得し、トレーニングを積んだ熟練した技術を持つ医師が操作して行う手術です。ロボットの正確性を用いて、より精緻で繊細な手術を可能とするのがコンセプトとなっております。
3.安全性についてはどうなのでしょうか?
3.ダヴィンチシステムを使用したロボット支援下手術は世界中で行われておりますが、機械によるシステムエラーの報告は極めて低いものとされております。またロボット支援下手術を行えるのは一定のトレーニングを終了し、緊急時の対応を習熟した医師、スタッフが行います。
4.高齢者でもロボット手術を受けることはできますか?
4.年齢の制限は基本的にはありません。高齢の方であっても、日常生活を問題なく送れる方であれば、ロボット支援下手術を受けることは可能です。但し、重度の緑内障がある方は、術式によっては受けることができない場合があります。ロボット支援下手術は傷口が小さく、術後の負担が小さい手術でありますので、ご希望がある方はご安心して相談して下さい。