がん治療

地域がん診療連携拠点病院

地域がん診療連携拠点病院とは

がん診療の均てん化(地域間の診療レベルの格差を無くし質の高いがん医療を提供)のために、地域におけるがん診療連携を推進するために中核となる病院です。
厚生労働省が、都道府県からの推薦を受け、整備指針に基づき指定します。
埼玉県内では、当院を含む12の医療機関が「地域がん診療連携拠点病院」に指定されています。

地域がん診療連携拠点病院として求められる主な機能としては、

  • 集学的治療及び標準的治療等の提供体制
  • 化学療法の提供体制
  • 院内がん登録体制
  • 緩和ケアの提供体制
  • 相談支援体制
  • 病病連携・病診連携の協力体制
  • セカンドオピニオンの提示体制

があり、当院ではその責務を果たすべく下記のとおり委員会、部会の体制を整備しております。
地域がん診療連携拠点病院

PDCAサイクルの構築

PDCAサイクル
当院は、がん診療に関する課題について「PDCAサイクル」の考え方を取り入れ、がん診療の質・安全性の向上に組織的に取り組んでおります。

一例として、当院は2015年から東京大学水流斑の「がん診療体制の質評価」の研究に参加しております。同研究はがん診療に関するPDCAサイクルを効果的に回すための研究となっており、病院内のがん診療の現状チェックと全国のがん診療拠点病院との比較検討を行っています。

また、埼玉県内の取り組みとして、埼玉県がん診療連携拠点病院連絡協議会下のPDCAサイクル部会にも参加しています。部会を通して、埼玉県内各施設の診療機能や診療実績、地域連携に関する活動状況等について情報共有と意見交換を行っており、PDCAサイクルの確保のための組織的な改善策を講じております。

※PDCAサイクルとは業務プロセスの管理手法の一つで、計画(PLAN)⇒実行(DO)⇒評価(CHECK)⇒改善(ACT)という4段階の活動を繰り返して、継続的にプロセスを改善していく手法です。

緩和ケア

緩和ケア研修会

2007年がん対策基本法に基づく、がん対策推進基本計画では、「すべてのがん診療に携わる医師が研修等により、 緩和ケアについての基本的な知識を習得すること」と定められています。これを受け、地域がん診療連携拠点病院である当院では、 厚生労働省の開催指針に沿った緩和ケア研修会を実施しています。

がん登録

院内がん登録

「がん登録」とは、がんの診断、治療、経過等に関する情報を、全国の都道府県や医療機関などから集め、保管、整理、解析する仕組みのことです。この仕組みにより、毎年どのくらいの人ががんで亡くなっているか(死亡数)、毎年どのくらいの数のがんが新たに診断されているか(罹患数)、がんと診断された人がその後どのくらいの割合で生存しているか(生存率)などのがんに関する統計情報を出すことができます。そして、この統計情報を用いて、国や地域のがん対策を立案または評価しています。 

「院内がん登録」とは、上記「がん登録」の仕組みの一部であり、医療機関で診断、治療されたすべての患者さんのがん情報を、診療科を問わず病院内で集め、その病院のがん診療がどのように行われているかを明らかにする調査です。この調査を複数の病院が同じ方法で行うことで、その情報を病院間で比較でき、病院ごとの特徴や問題点が明らかになるものと期待されています。 

また、国立がん研究センターがん対策研究所 がん登録センターでは、がん医療の専門病院である「がん診療連携拠点病院」で行われる院内がん登録の情報を集めて(以下「院内がん登録全国集計」)、全国レベルや都道府県レベルでどのような特徴があるかを周知できるよう取り組んでいます。院内がん登録データは報告書を作成するだけでなく二次利用を通じて国全体で、より良いがん医療、がん対策に役立てることが期待されています。二次利用を希望されない方は、「3.院内がん登録全国収集データの二次利用について」をご覧ください。(オプトアウト) 

当院ではこの「院内がん登録」を2007年より行っています。また、当院は「がん診療連携拠点病院」に指定されているため、毎年、この登録情報を個人識別情報を削除した上で、国立がん研究センターがん対策研究所 がん登録センターへ提出しています。従って、本サイトで公開するがん登録に関する統計情報は、「院内がん登録全国集計」の結果を基盤としています。詳しい情報は、国立がん研究センター がん情報サービスをご覧ください。