お知らせ
学会等により休診となる場合がありますので、平日の午後、時間内に外来にお問い合わせください。
診療科の紹介・診療方針
当科は、白内障、緑内障、網膜硝子体、ぶどう膜、角膜など、ほぼ眼科全領域の内科的・外科的治療に幅広く対応できる体制を敷いております。日本眼科学会認定の専門医が7人であることに加えて、各スタッフは常日頃関連大学と緊密に連携を取っており、高度先進医療あるいは最新の治験にも参画しています。地域診療所との病診連携も頻繁かつ迅速に行っており、「顔の見える」病診連携を目指していることも当科の特徴といえます。
特殊外来として、斜視外来を月曜日~木曜日の午後、コンタクト外来を毎月第1週金曜日午後、ロービジョン外来を毎月第2・4週金曜日午後に行っています(いずれも予約制)。
毎週火曜日には看護師やORTを交えての症例検討会を実施し、第二火曜日は常勤医師によるクリニカルカンファランス(症例提示あるいは講義等)を行い、再診の知識の共有に努めております。
診療内容
白内障
白内障は眼球内のレンズに相当する水晶体が様々な原因(加齢や基礎疾患、薬物、外傷など)により混濁することで見えにくくなる疾患です。
視力が低下したり、物が霞んで見えたり、眩しい、疲れやすい、色味がわかりづらくなる、物がぼけて二重・三重に見えるなどの症状があります。視力検査や細隙灯顕微鏡検査などで水晶体の濁りの程度や視機能の低下具合を確認し、手術適応の判断や手術で使用する眼内レンズの選択のため精密眼底検査、屈折検査、角膜曲率半径計測、精密眼圧測定、眼軸長測定、角膜内皮細胞顕微鏡検査、角膜形状解析検査、眼底三次元画像解析など、病状により必要な検査を行います。
治療は手術療法を行うのが一般的で最も効果のある方法です。一般的な白内障手術は濁った水晶体を取り除き人工のレンズ(眼内レンズ)を挿入します。他院で手術が出来ないといわれたような難症例の白内障に対しても硝子体手術用の手術機器などの装備を整え対応しています。また全身的な合併症のある白内障手術に対しても他科と連携し診療しています。
認知症や閉所恐怖症、精神疾患等で術中安静が保てない患者さんに対しては麻酔科の協力のもと全身麻酔での白内障手術も行っています。
緑内障
緑内障は、視神経に障害を与える病気で、主に眼圧の上昇が原因とされています。
視神経が障害を受けると、視野が狭くなり、最終的には失明に至ることもあります。緑内障は初期段階では自覚症状がほとんどないことが多いですが、進行してしまった部分に関しては元には戻せないため、早期発見と早期治療が重要です。症状は初期段階では無症状ですが視野、特に周辺視野が欠損し、進行すると中心視野にも影響が出て失明する場合があります。診断は 眼圧測定、視野検査、眼底検査などを通じて行います。
治療は、 眼圧を下げるための点眼薬、レーザー治療、手術などがあります。当院の手術では、低侵襲緑内障手術(minimally invasive glaucoma surgery: MIGS)と呼ばれる線維柱帯切開術(眼内法)、水晶体再建術併用眼内ドレーン手術(iStent® inject w)や、濾過手術(線維柱帯切除術、Express®、プリザーフロー®)も施行しております。
また、レーザー治療ではCYCLO G6(マイクロパルス強膜毛様体凝固術)も整備しております。
網膜硝子体
網膜は眼球の奥にある光を感じる構造物で、中心の黄斑が物を見る上で最も重要な部位です。
硝子体は眼球の内腔を埋める無色透明でやや固いゼリー状の物質で、網膜と接しています。加齢やその他の原因によって硝子体が収縮したり変性したりすると、網膜にも影響が及ぶことがあります。
症状には、目の前に小さなごみのようなものが飛んでいるように見える(飛蚊症)、光視症(眼を閉じたり動かしたときに閃光が見える)、視野が狭くなったと感じる、視野の真ん中が黒っぽくなって見えない、物が歪んで見える、急激な視力低下、等があります。
網膜硝子体の主な疾患は、下記になります。
網膜裂孔
硝子体と網膜が強く癒着している部分で、加齢などによって硝子体が収縮し、網膜が引き裂かれて亀裂や孔が開く疾患です。光視症や飛蚊症が見られ、網膜剥離に進行する可能性が高いです。
網膜剥離
網膜が眼球の奥の壁から剥がれる疾患です。網膜裂孔から移行するケース(裂孔原性網膜剥離)が多く、糖尿病やぶどう膜炎などが原因となる非裂孔原性網膜剥離もあります。視野が欠けたり、視力が低下したり、進行すると失明のリスクもあります。
糖尿病網膜症
糖尿病による全身的血管障害の一つで、網膜に影響を及ぼす疾患です。網膜出血や網膜剥離など様々な症状が出現し、進行すると失明に至ることもあります。治療には血糖コントロールと並行して眼科での定期的な眼底チェック、レーザー治療や硝子体手術が行われます。
硝子体出血
硝子体の中に血液が溜まる疾患です。主に網膜の血管が切れるなどして起きます。出血量が多いと視力障害が生じ、少ないと飛蚊症の症状が現れます。
黄斑前膜
加齢によって硝子体が網膜から外れ、硝子体の一部が網膜に取り残されて膜が形成される疾患です。黄斑部にしわが寄り、視力低下やゆがみが生じます。加齢以外にも目のけがや網膜剥離の手術、眼内の炎症などが原因となります。
黄斑円孔
黄斑の中心窩に孔が開いている疾患です。加齢による硝子体の萎縮が原因と考えられ、黄斑部の網膜が慢性的に引っ張られて亀裂が入り、孔が開きます。視野の中心部がゆがんで見える、中心部が暗く見にくくなるなどの症状が見られます。
黄斑
黄斑とは眼に入った光が角膜・水晶体で屈折して焦点を結ぶ、網膜の中心の場所です。文字や色を識別する細胞のほとんどが黄斑にあり、網膜の中でも視機能が最も鋭敏なところです。黄斑の機能が病気によって障害されてしまうと、中心部のゆがみ(変視症)や中心の視野が欠けてしまったり(中心暗点)、視力が極端に低下してしまいます。
対象疾患としては日本の中途失明原因の上位となっている加齢黄斑変性をはじめとして、中心性漿液性網脈絡膜症や網膜静脈閉塞症、黄斑ジストロフィーなどがあります。これらを最新式の光干渉断層計(OCT)や光干渉断層血管撮影(OCTA)、蛍光眼底造影検査を用いて診断を行い、治療として抗VEGF薬の硝子体注射やレーザー治療を行っています。
角膜
角膜は眼の最も前方にある透明な組織で、いわゆる黒目の部分を覆っています。細菌などから眼を守るほかに、レンズとして光を屈折させる働きもあります。対象疾患としてはドライアイや角膜感染症、水疱性角膜症、角膜混濁、円錐角膜のほか、翼状片などの結膜疾患も含まれます。
角膜形状解析装置や前眼部OCT(CASIA2)、スペキュラーマイクロスコープ、また感染症に対してPCR検査などを用いて診断を行い、治療として点眼治療のほか、角膜移植(全層移植、部分移植)や翼状片切除術などを行っています。
ぶどう膜
ぶどう膜炎とは、目の中に炎症を起こす病気の総称です。ぶどう膜は、虹彩、毛様体、脈絡膜の3つの膜から成り、いずれも血管が豊富なため、異常な免疫反応や炎症を起こしやすく(ぶどう膜炎)、見え方に大きな影響を及ぼします。ぶどう膜炎の原因は分かるものだけで50種類くらいあると言われていますが、大きく分けて、ベーチェット病、サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病、強直性脊椎炎、乾癬など全身の病気の1症状として起きてくる場合(内因性ぶどう膜炎)と、結核性ぶどう膜炎、ヘルペスウイルスによるぶどう膜炎、トキソプラズマ網膜症、サイトメガロウイルス網膜症、細菌性眼内炎などの様に、病原体の眼内への感染で起きる場合(感染性ぶどう膜炎)があります。
その他に稀ですが悪性リンパ腫や転移性脈絡膜腫瘍などの腫瘍性疾患などがあります。原因によって治療法が微妙に違ってきますので、まずは検査を行って原因を同定しそれに対する治療を行う事が大切です。
視力検査、精密眼圧測定、細隙灯顕微鏡検査、精密眼底検査などの一般的な眼科検査のほかに画像検査、血液検査などの全身検査を行います。
症状によっては眼内液を採取して検査を行うこともあります。治療は原因に応じて異なり、感染症が原因の場合は抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬の使用、消炎目的でのステロイド薬を使用します。
薬の投与は点眼薬や眼局所注射の場合や内服・点滴等の全身投与で行う場合があります。また自己免疫疾患が原因の場合、免疫抑制薬の導入や生物学的製剤の導入が検討される場合もあり、当院で対応可能です。
スタッフ紹介
専門領域
- ぶどう膜炎、眼炎症
- 白内障
- 緑内障
- 網膜硝子体疾患
- ロービジョン
所属学会 ・資格取得状況
日本眼科学会 眼科専門医
- 身体障害者福祉法第15条指定医
- 視覚障害者用補装具適合判定医師研修会修了
- 日本医師会認定産業医
- 日本パラスポーツ協会公認パラスポーツ医
- 緩和ケア研修会修了
外来診療スケジュール
外来診療担当表
診療実績
外来処置
手術